食中毒とは
多くは、季節(夏、冬)に応じて集団発生で見られる感染性腸炎が知られています。
胃や腸に強い炎症が引き起っている状態です。 原因は、食事などを介した病原細菌やウイルスの経口感染によって引き起こされます。
食中毒の原因
1.食品を汚染する細菌
主な原因は、生肉などに生息するカンピロバクター菌やO157(病原性大腸菌)、鶏や卵などに生息するサルモネラ菌、生の魚介類などに生息する腸炎ビブリオ菌があります。
さらに人の皮膚の傷口などに繁殖する黄色ブドウ球菌によっても食中毒は起こります。
2.ウイルス感染
代表的な原因は、ノロウイルスです。秋から冬にかけて多く発生します。カキやシジミなどの魚介類が汚染され、それを食べることで中毒症状を引き起こします。
さらに自分では食べていなくても、ノロウイルスに汚染された食品を食べた人の嘔吐物や便を介して感染することもあります。
3.フグ毒や貝類の毒
良く知られているのがフグ中毒です。フグの場合、卵巣や肝臓に含まれているテトロドトキシンという毒が食中毒を引き起こします。貝類の場合は、4〜9月に発生しやすいホタテガイやイガイ、初夏に発生しやすいムラサキイガイ、コタマガイなどが食中毒の主な原因になります。
4.毒きのこや毒草
山菜による食中毒は春と秋に多く発生します。毒きのこや毒草は食用と見分けにくく、散策で摘んで食べてしまうことが原因です。例えばしいたけに似たツキヨタケ、シメジに似たクサウラベニダケ、イッポンシメジ。
山菜によく似たハシリドコロやトリカブト、オオハギボウシ、大葉に似たチョウセンアサガオなどによるものです。
また普段食べているジャガイモの芽や青梅の種子、ぎんなんでも食中毒を起こすことがあります。
5.ヒスタミン汚染や金属汚染、
薬品の誤飲
鮮度が落ちてヒスタミンを多く蓄積した魚を食べることで食中毒を起こします。主な原因となる魚は、まぐろ、いわし、さんま、さばなどの青魚です。金属による中毒は、銅やスズによるものが代表的です。
調理器具に使われている銅や、スズの溶出が原因になります。また、農薬や洗剤の誤飲による中毒もあります。
食中毒の症状
腹痛、下痢、嘔吐、発熱などの胃腸障害、言語障害、知覚障害、呼吸困難などを引き起こすのが食中毒です。
汚染源によって潜伏期間や症状に大きな違いがあります。 食中毒とは、食品に起因する腹痛、下痢、嘔吐、発熱などの症状の総称で、原因によって症状は様々であり、数日から二週間程度続きます。
腸内で細菌やウイルスが増殖し、胃腸機能が低下することで下痢や嘔吐を繰り返します。これにより、体外に排出され症状も徐々に緩和されます。 下痢や嘔吐が長時間続くことで水分や電解質が体外へ排出され脱水症状を引き起こし、重症化すると死亡することもあります。 特に小児や高齢者の場合は脱水が進んで深刻な状態へ進行する場合があります。
食中毒の検査方法
検査としては血液検査や腹部レントゲン検査が行われ、重症度により入院治療か外来治療かが決定されます。
食中毒の治療法
症状が軽い吐き気や便がゆるいなどの場合は、よく水分をとって様子を見ても大丈夫でしょう。
嘔吐がひどく水も飲めない場合・腹痛がひどい場合・吐物や便に血が混ざる場合・呼吸が苦しい場合は病院を受診してください。
症状の原因が細菌と推定される場合は抗生物質が使用されますが、やみくもに抗生物質を投与すると状態が悪化することもありますので、慎重に決定されます。治療の基本は水分補給で、水が飲めない場合は点滴が必要となります。