胃の過形成性ポリープ

胃の過形成性ポリープとは

胃の過形成性ポリープとは、内視鏡検査(胃カメラ)で、高い頻度で遭遇するポリープです。 過形成性ポリープは概ね赤色で「傷んだイチゴ」のような見た目のポリープです。
胃のどの部位にもみられ、大きさは大小様々で、単発の場合もあれば複数みられることもあります。
出血やびらんも多くみうけられます。高さが高くなり、大きさが増したりして進行していきます。
普通、直径2~3センチどまりです。 これは癌化のリスクのあるポリープとしても知られており、「過形成性ポリープの1.5~4.5%に癌が併存していた」と報告されています。 過形成性ポリープの発生は30歳以上で年代と共に増加する傾向にあり、腸上皮化生(ちょうじょうひかせい)(胃がんと非常に関連のある組織)との関連はあまりありません。

過形成性ポリープの原因

過形成性ポリープの原因このポリープはピロリ菌(H.pylori)陽性(感染している)で萎縮性胃炎のある胃に発生します。ピロリ菌(H.pylori)による胃粘膜の炎症やびらん(傷)や潰瘍が、修復される過程での過剰な再生によるポリープだとされています。
H.pylori除菌治療で、ポリープが縮小もしくは消失したとの報告もあります。 過形成性ポリープは頻度こそ高くありませんが、がん化することがありますので、年に1回程度の内視鏡検査を受診すべきと考えます。
PPI(proton pump inhibitor:酸分泌抑制剤)を内服するとピロリ菌未感染胃粘膜に発生することもあります。

胃カメラ検査について

過形成性ポリープの症状

過形成性ポリープの症状一般に無症状です。 胃もたれや不快感、食欲不振などの症状がみられることがありますが、多くは同時に発症している慢性胃炎によるものです。
まれに出血により貧血をおこすことがあります。

過形成性ポリープの検査方法

X線検査

粘膜の状態やポリープ表面の凹凸の状態を観察します。

内視鏡検査

ポリープの観察だけでなく、場合により生検(組織を採取して病理検査をする)をして、ポリープの詳細な情報を得ます。

過形成性ポリープの治療法

基本的には経過観察でよい病変です。 癌化の疑いのあるもの、サイズが大きく症状があるもの、出血の原因になるものなどは内視鏡(胃カメラ)で切除を行います。
なお、抗凝固薬、抗血小板薬を服用している方は、切除時に出血することもあり、切除の適応を慎重に決定すべきです。 また、サイズが大きいだけの場合、最近ではまずはピロリ菌(H.pylori)の除菌療法を選択することも多くなってきました。

TOPへTOPへ