鳥肌胃炎とは
鳥肌胃炎とは、その名前の通り病理学的にはリンパ濾胞の過形成が認められ、それらが小さな隆起を形成するため内視鏡でみると胃の粘膜が鳥肌のように凸凹した粘膜となります。
鳥肌胃炎は、若年とくに女性のピロリ菌感染がある方に認められることが多い内視鏡所見とされています。 鳥肌胃炎は、悪性度の高い未分化型胃癌が発生するリスクが高いとする報告もあり、注意が必要です。
鳥肌胃炎に合併し易い胃がんは、若い女性に多いこと、発生部位は胃体部、組織型は未分化型、などの特徴があります。
この未分化型胃がんは悪性度が高く、粘膜の下などに広がりやすい特徴を持つため、結果スキルス胃がんにつながることが多いといわれています。 胃がんの中でもスキルス胃がんは、いまだに早期発見が困難で増殖浸潤が速いため、治療成績が著しく悪い難治がんと言われています。つまり、スキルス胃がんを発症した場合に根治的な治療を受けることが極めて困難である場合が多いのです。また、スキルス胃がんは比較的若年齢(20歳代)でも発症することが頻繁にあります。
鳥肌胃炎の原因
鳥肌胃炎はピロリ菌感染による胃炎の一つのタイプです。ある発表によると、ピロリ菌感染を伴った鳥肌胃炎の若年者の胃がん発見率は、4.4%であり、この発見率は、ピロリ菌感染を伴っているが鳥肌胃炎でない(=非鳥肌胃炎)若年者と比べると、60倍以上という極めて高倍率であると言われています。
鳥肌胃炎の症状
鳥肌胃炎がある場合は、胃部不快感などの症状が出やすいと言われています。
慢性的に胃部不快感、みぞおちの違和感・痛み、胸やけ症状等を認める方、症状の有無に関わらずご家族にピロリ菌にかかっていた方がいる場合は、一度胃内視鏡検査(胃カメラ検査)を受けることをお勧めします。
鳥肌胃炎の検査方法
鳥肌胃炎に対しては、内視鏡検査(胃カメラ)を実施して、胃の粘膜の状態を詳しく確認します。
鳥肌胃炎の問題点は、胃粘膜の萎縮が進んでくる前に、未分化型胃がんができやすい事です。きちんと検査を受けて、早い段階で治療しておくことが重要となります。 気になる方は是非一度、お気軽にご相談下さい。
鳥肌胃炎の治療法
鳥肌胃炎の治療はピロリ菌(H.pylori)の除菌療法が基本となります。
ピロリ菌の除菌治療
ピロリ菌を除菌するために、除菌剤や胃の炎症を抑制するお薬などを服用します。1日2回の服用を1週間継続します。
なお、内視鏡を使ったピロリ菌検査により、鳥肌胃炎と診断された場合には、2回まで保険適用で除菌治療が受けられます。