胃底腺ポリープ

胃底腺ポリープとは

胃底腺ポリープはほとんどの場合、ピロリ菌がいない方に出来る良性ポリープです。 胃底腺の粘膜に発生し、数個以上発生します。女性に多く、胃底腺の粘膜は萎縮(いしゅく)せず、状態が良好なことが特徴です。
組織学的には、胃底腺組織の過形成、嚢胞状拡張腺管により粘膜が隆起したものです。腫瘍ではないため、胃がんとは関連性がないポリープです。 今後、H.pylori陰性者の増加に伴い、遭遇する機会も増加することが予想されます。
また、胃食道逆流症(GERD)などでプロトンポンプ阻害薬を服用するとポリープが腫大したり、数が増加するとの報告もあります。最近、胃底腺ポリープでの癌発生例も報告されており、その頻度はまれですが、注意深く観察する必要があります。

胃底腺ポリープの症状

胃底腺ポリープは通常だと無症状です。

胃底腺ポリープの治療法

胃底腺ポリープは検診で一番多く指摘されるポリープですが、これは基本的に病気ではありません。
特にピロリ菌がいない方で胃酸分泌が多い方に多いもので、細胞が肥大化しただけのものです。
基本的には切除は必要なく、胃カメラで見つかっても特に処置は必要なく、胃酸分泌が多い若年者に多く、加齢とともに減少していくので経過観察で問題ありません。 最近ではピロリ菌(H.pylori)の除菌後、時間が経過した患者さまでも認めることがあります。
しかしながら、注意点もあります。家族性大腸腺腫症(familial adenomatous polyposis;FAP)という遺伝性ポリポーシスの患者さまでは、胃底腺ポリープが多発することがあります。
FAPに伴う胃底腺ポリープは、胃がんの発生母地になる可能性を考慮する必要があると言われています。

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